こんにちは、野澤!今日は、十勝から見える日高山脈の魅力や、最近関わったプロジェクトのお話をしていきます。この記事はFMJAGAでお話した内容を記事にしております。
日高山脈が国立公園に
2024年夏、日高山脈が国立公園に指定されたのをご存じですか?十勝に暮らす私たちにとって、日高山脈はいつもそこにある大切な風景。その山々が国としても特別な場所と認められたのは、とても誇らしいことです。
ただ、日高山脈を楽しむ方法といえば、「登山」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、この山脈はとても険しく、初心者が気軽に登れる山はほとんどありません。そこで、「登る」以外の楽しみ方として、「眺める」という視点に注目しました。
借景としての日高山脈
「借景」という言葉をご存じでしょうか?日本庭園でよく使われるこの考え方は、庭の背景に遠くの山や風景を取り込み、全体として美しさを感じるものです。実は十勝の人たちは、日高山脈を眺めるという形で、日常の中にこの「借景」を取り入れているんです。
例えば、朝のコーヒータイムに窓の外に広がる山々を眺めたり、サイクリングや散歩でその景色を楽しんだり。こうした何気ない日常が、実はとても贅沢な体験だということに気づかされます。
モニターツアーで見えた新たな可能性
この視点を観光にも生かせないかと、10月末に「日高山脈を眺めるモニターツアー」を開催しました。日本人だけでなく、東京に住む外国人カップルやその子どもたちも参加して、全員で日高山脈を遠くから楽しむ旅を体験しました。
訪れたのは、例えば広尾町のフベの滝や、大樹町の放牧酪農を営む牧場、そして清水町のホーストレッキングなど。地域の自然や人々の暮らしに触れながら、日高山脈を背景にした豊かな時間を過ごしました。
参加者からは「遠くから見るだけでも十分美しい」「地元の人々の自然への敬意が伝わってきた」といった感想をいただきました。これを聞いて、「眺める」ことにも大きな価値があると再確認できました。
冬の日高山脈と「思い出」
これからの季節、雪に覆われた日高山脈はさらに美しさを増します。真っ白な山々が夕日を浴びて黒くシルエットに浮かび上がる景色は、本当に息を飲むほど。十勝に暮らす人なら、日高山脈にまつわる思い出が1つや2つはあるはずです。
私もこれまで、地元の人たちにその思い出を聞いてきました。通学路から見えた山々や、日常の何気ない瞬間にふと目に入る山の風景。こうした一つひとつが、日高山脈を特別な存在にしています。
日高山脈を「眺める観光」として広げたい
このプロジェクトを通じて、「登る」だけでなく「眺める」観光として日高山脈を楽しむ提案ができたのは大きな一歩です。現在、モニターツアーの様子をまとめた冊子や映像を制作中です。来年には完成予定なので、ぜひ手に取って、また新たな日高山脈の魅力を感じてもらえたら嬉しいです。
これから冬本番。十勝に住む皆さんも、訪れる方も、ぜひ日高山脈を眺めて、そこにある豊かさを感じてみてください。この山々が、私たちの暮らしをどれだけ彩っているか、きっと気づけるはずです。
またラジオや記事でお会いしましょう!
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