今日は、就職する酪農牧場を探す際の探し方のコツや各牧場の比較するポイントをまとめてみたいと思います。
これまで牧場で働きたいという人にたくさん出会ってきました。夢を叶えて楽しく仕事をしている人をたくさん見ています。一方で、「思ったのと違った」と言ってやめてしまった人も見てきました。特徴を簡単にまとめてみると
・集めた情報を比較している
・複数の牧場へ見学や体験をしている
この記事では酪農牧場の探し方のコツ、比較の仕方のコツを紹介したいと思います。未経験でもできるの?っと思ってる方、牧場の仕事は大半が未経験者大歓迎です。ぜひ、この機会に新たな環境に飛び込んでみるといいですよ!
check 牧場の比較や求人については第一次産業ネット
1.規模感で比較してみる
牧場といっても、大きい牧場もあれば、小さい牧場もあります。自分が「大きい牧場で働きたいのか」「小さい牧場で働きたいのか」どちらをイメージしているいかで、「自分の働きたいなと思う牧場」を見つけやすくなります。ただ、どれくらいの牧場が大きい・小さいというのは区別もつかないと思います。なのでまずは、
「牛の数+働いてる人の数」を比較してみましょう
まずは、そもそも牧場はどれくらいの規模感で経営しているのかを紹介します。
大きい牧場は1000頭以上飼養している牧場もあります。そして、求人が出ているような牧場は、100頭以上の牧場が大半です。
100頭以下は家族
100頭-200頭 家族+1-2人スタッフ
200頭-500頭 家族+ 1-5人
500頭-1000頭 8-20人
1000頭以上 15-30人
家族経営でスタッフが少数の牧場で働きたい場合は、400頭以下くらい。沢山のスタッフと働きたい場合は、400頭以上くらいが、ざーっくりとした目安かなと思います。なので、まずは、どれくらいのスタッフがいる牧場で働きたいかなどを頭に浮かべながら、牧場の規模感で比較してみるのがおすすめです。
人間関係が面倒なので、小さい牧場がいいという方
少し考えてください。家族経営でも、牧場で働くにはその家族との人間関係形成が重要です。「牧場の仕事だから、人間と付き合わなくていい」そんなことは一切ありません。
もちろん、仕事の中で動物を見る時間が多いということもあり、「癒し」「気晴らし」になることもあるので、事務的な仕事をしている人よりかは随分とよいかもしれません。ただ、生活環境は経営している家族と家が近かったり、色々と生活に関しても手助けしくれることも増えるので、人間関係が一切なくなる。ということはないので、注意した方がよいと思います。むしろ大きい牧場の方がいいという場合もあります。
2.飼い方や牛舎の違い
酪農は牛を放し飼いにしている放牧が普通だと、思っている人が多いと思います。実は放牧をしているのは全国でも2%程度の牧場だけ。北海道だけ計算しても北海道全体で9%ほどしかないと言われています。ほとんどが牛舎の中で管理されているんです。なので、放牧してる牧場をイメージしている人はそこもしっかりチェックが必要ですね。
そして、管理している「牛舎」についても違いがあります。牛舎の違いを紹介していきます。
●フリーストール牛舎
規模が大きい牧場が採用している牛舎です。牛舎の中を自由に歩き回れる飼い方です。だからフリー。
メリット:牛のストレスがかかりにくい。多くの牛を飼うことができる
デメリット:管理が難しい、発見が遅れる、多額の投資が必要
●繋ぎ飼い牛舎
小規模な牧場の多くが採用している牛舎です。牛を繋いでずっと同じ場所で管理をしている飼い方です。
メリット:管理がしやすい
デメリット:飼養頭数が少なくなる。牛にストレス
●放牧
メリット:牛のストレスが少ない、牛舎の投資、エサ代を押さえることができる
デメリット:乳量が減る、乳質も良くない場合がある、牧草の管理が大変
3.搾乳方法
酪農で大切な作業といえば、牛の乳を搾る仕事=搾乳。この搾乳作業についても牧場によって違いがあります。
●パラレルパーラー
●ロータリーパーラー
●パイプライン
●ロボット
最近では、ロボット搾乳機器を導入している牧場も増え始めました。ロボットが導入される一番のメリットは、一番時間のかかる搾乳作業がなくなること。朝夕の搾乳作業がなくなので、7時-18時のような勤務体系になったり、省力化が進んでいる牧場も増えてきています。見学や体験を複数するときはこの搾乳設備の違いを見て、行ってみるとより、学びが多いと思いますよ。
4.餌を自分達で作っているかどうか
北海道の酪農牧場は、自分たちで畑を所有して、牛の食べる餌をできる限り自給しています。この餌を作る畑作業をしているかどうかもポイントですね。
畑作業がある夏場は非常に忙しいです。自分たちで餌を自給する分、コストを抑えることができますし、働く場所として学びもいっぱいある一方で夏はとても忙しいということもあります。ここも比較してみる材料になります。エサの出来によって乳量が大きい変わることがよくあります。エサを作る良し悪しが経営を左右するといっても過言ではないので、ぜひこの部分のこだわりも見ておきましょう!
5.専業牧場 育成専用
酪農牧場も分業が進んでいます。その中の一つに育成専用牧場というものがあります。子牛の育成を専門でやる牧場もあるんです。牧場で生まれた子牛を引き取り、搾乳ができるまで育て上げて、もとの牧場に返すという牧場です。子牛を育てるのは非常に難しいので、子牛育成専用の牧場に委託することで、元気な牛をしっかり育ててもらい、また子牛の育成業務を委託するので、その分、他の作業をしっかりできるので、生産性が上がるというメリットがあります。
子牛の世話をしてみたいという人は、育成専用の牧場を探してみるのもありかもしれませんね!
6.求人条件
これは当然かもしれませんが。
最近は、年間休日100日などにする牧場も増えてきています。
よく比較される部分としては、
・休日数
・社保完備
・給与、年収
・残業代について
・家に関しては、社宅がなくても大丈夫です。またWebで掲載されていなくても心配ありません。町営住宅など牧場の担当者の方が紹介してくれます。
7.絶対に体験にいくべき!電話だけで内定は疑え
正直、電話だけで内定を出す牧場はオススメできません。
ゆとりがあり、働く環境が良い牧場ほど、見学や体験をしてくださいと勧めてきます
●その人が本当に酪農をやりたいかどうか。
●酪農という仕事に合っているかどうか。
●自分達の牧場と合うかどうか
などを見極めた上で、内定を出すからです。
「誰でもいいから雇いたい」
「あまり牧場をみてほしくない」
など、ネガティブな原因があることが相当数あります。
離職率が高いというのは、採用時点でのミスマッチが相当数あるということが大きな原因でもあります。ちゃんと情報を取って、比較して、見学して、入社を決めた人たちの離職率は相当低いです。見学する時点で断念した人をたくさん見てきましたが、行ってみて違ったと感じて、諦めるのは双方にとっていいことです。自身の身銭を切ることになるかもしれませんが、必ず見学や体験には行って欲しいとおもいます。
ぜひ、皆さんも納得のいく牧場探しをしてみてください。私自身が見学・体験できる牧場などの相談を受けることも可能です。問い合わせからぜひご連絡ください。
酪農牧場の仕事を探すなら、こんなサイトがありますので、ぜひ参考にしてみてください。北海道の牧場のことであれば、個別に相談も乗ってもらえます。
第一次産業ネット
check 過去の酪農関連記事
コメントを残す